【中医協】NSTや呼吸ケアなど、チーム医療で3加算を新設(医療介護CBニュース)

 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月27日の総会で、チーム医療を評価する3つの加算を来年度診療報酬改定で新設することを大筋で了承した。厚生労働省が示した個別の改定案では、急性期病棟への看護補助者の配置、多職種が患者の栄養管理を行う「栄養サポートチーム(NST)」、医師や看護師、臨床工学技士などが連携して人工呼吸器を管理する「呼吸ケアチーム」をそれぞれ評価する3加算の新設に加え、NSTの加算新設に伴い「後期高齢者退院時栄養・食事指導料」を廃止することが盛り込まれた。個別の点数については、今後の総会で協議する。

 チーム医療に関して新設されるのは、「急性期看護補助体制加算」「栄養サポートチーム加算」「呼吸ケアチーム加算」の3加算。

■「急性期看護補助体制加算」、算定は14日が上限

 急性期看護補助体制加算は、「7対1入院基本料(7対1)」と「10対1入院基本料(10対1)」を算定する病棟への看護補助者の配置を評価。1日の入院患者数に対する看護補助者の配置数が50対1の「加算1」と75対1の「加算2」がある。現行の看護補助加算(56-109点)は、10対1以上の病棟では原則算定できないが、厚労省の調査によると、それらの病棟でも手厚く配置している実態が明らかになっており、診療側の委員が診療報酬上の評価を求めていた。

 中医協によると、算定要件は一般病棟、特定機能病院(一般病棟)、専門病棟の各入院基本料で7対1と10対1の届け出病棟の患者とし、14日を上限に毎日算定できる。
 一方、施設基準については、▽1日の入院患者数に対する看護補助者の配置数が50対1か75対1以上(傾斜配置も可)▽年間の緊急入院患者数が200人以上の病院、または総合周産期母子医療センター▽一般病棟用の重症度・看護必要度の基準を満たす患者の割合が7対1で15%以上、10対1では10%以上▽看護補助者に対し、急性期看護における適切な看護補助の在り方に関する院内研修会の開催―の4点を挙げている。

 呼吸ケアチーム加算の算定要件は、▽一般病棟、特定機能病院(一般病棟)、専門病棟のいずれかの入院基本料の届け出病棟に入院し、48時間以上継続して人工呼吸器を装着している患者▽人工呼吸器装着後の一般病棟での入院期間が1か月以内▽人工呼吸器の離脱に向け、医師や専門の研修を受けた看護師らの専任チームによる診療などが行われた場合、週1回に限り算定可能―の3項目。
 施設基準では専任チームについて、▽人工呼吸器管理などの十分な経験のある医師▽人工呼吸器管理などについて6か月以上の研修を受けた看護師▽人工呼吸器などの保守・点検に関して3年以上の経験を持つ臨床工学技士▽呼吸器リハビリテーションを含めて5年以上の経験のある理学療法士―で構成するとしている。

■専任チームの「専従」に配慮―佐藤課長

 栄養サポートチーム加算は、一般病棟、特定機能病院(一般病棟)、専門病院のいずれかの入院基本料で、7対1か10対1の届け出病棟に入院している患者のうち、「栄養管理実施加算」が算定され、栄養障害と判定された患者が対象だ。算定要件は、▽対象患者に対する栄養カンファレンスと回診の開催(週1回以上)▽対象患者に関する栄養治療実施計画の策定とそれに基づくチーム医療▽1日当たりの算定患者数は1チームにつき概ね30人以内―など。
 施設基準は、栄養管理に関する研修を修了した常勤の医師、看護師、薬剤師、管理栄養士でつくる専任のチームを設置し、これらの職種のうち1人を「専従」としていること。チームについては、歯科医師、歯科衛生士、臨床検査技師などが配置されていることも「望ましい」としている。

 専任チームのうち1人を「専従」とする施設基準について、西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「専任」に修正するよう要望。また、「(病床の)規模別に『専従』と『専任』を決めるやり方もあるのではないか」と提案した。嘉山孝正委員(山形大医学部長)もこれに同調し、「専従にするのならば、人件費が出ない限りやらない」と反発。これに対して厚労省保険局の佐藤敏信医療課長は、「(1人が専従になるのであれば)ある程度見合うような形になるだろう」と述べ、専従に伴うコストに配慮する考えを示した。


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